地元では知らない人はいない名店中の名店、お好み焼きの美佳味。
広島に転勤になっても、東京に転勤になっても、この時期に帰ってくるのは、親と親戚とこの美佳味があるから。
美佳味が無ければこんな町には用はない。
それは冗談だけどホント寂れすぎですよね、津久野周辺。
いつのまにかダイエー潰れてるし、ドムドム潰れてるし、天牛まで潰れてる。
いいかげん危機感を感じます。
ちょっとローカルネタを愚痴りましたが、その美佳味に行こうという話です。
今日は正月の1月4日ですが電話したらやっているとのことです。
さすがですね。
場所はこちらです。JR阪和線の津久野駅から徒歩15分程度歩いたところにあります。
お昼過ぎの12:10に現場に到着しましたが、いきなり嫌な予感がします。
車が歩道にはみ出しています。大阪ははみ出してナンボですよね。しかし皆さんなんで今日開いてること知ってるのだろう。
外観はこんな感じです。3人しか待っていないように見えますが、中にも8人くらい、車の中で待っている人もいるので侮ってはいけません。
中に入ると店員さんがこんな札を渡してくれます。これをもらわないと永遠に案内されることはありませんので注意しましょう。
表でメニューを見ます。私が小さい頃は豚玉350円のモダン焼き450円だったはずですが、これも時代の流れでしょうか。
メニューも増えましたね。ライスとお味噌汁のセットを頼んで「お好み焼き定食」にするのも大阪では当たり前です。
駐車スペースは10台程度です。裏に第2駐車場があったはずですが今でもあるのかな?
並んでいたら、お店から出てきたおじさんが「俺は1時間半待ったで、がんばれや」と声をかけてきました。
東京では他人から声をかけられることはありませんが、さすが大阪はフレンドリーです。
さて、今日のオーダは
私 豚モダン 600円
嫁 かき玉焼き+かちんトッピング 920円
メグ(娘) 豚チーズ玉焼き 600円
ケイ(息子) 豚チーズモダン 750円
にしました。
あと皆んなで食べる用に、豚焼きそば450円も頼むことにします。
モダンとは、焼きそば入りのお好み焼きです。
かちんとは、お餅のことです。
20分くらい待って店内に呼ばれました。
2階席の案内でした。
ここ美佳味はご覧のような粋な兄ちゃん達が活気よく焼いてくれます。子供の頃の夢は美佳味で働きたいという人も多かったはず。それほどの名店なのです。
2階はお好み焼きテーブルが複数置かれた座敷です。8〜10テーブルくらいありました。
これがオーダー表。懐かしいですね、ほんと久しぶりです。この2階座敷も10年ぶりくらいですよ。
テコと呼びます。コテともいうかな。箸で食べるなんざ邪道。通はこれで食べます。
調味料も懐かしいです。昔とちょっと違いますが、Fはふりかけ、Nは青のり。カラシがパックになっているのも時代ですね。
油をひくコレも懐かしいです。どうでもいいところを撮るのが私のブログの真骨頂なのです。
出た!エビスペ・肉スペ・デラックスの美佳味三巨頭です。豚玉300円台の頃からデラックスは3,000円近くしたので少年時代は夢のお好み焼きでした。
そういえばここは堀上緑町でしたね。ぜひ無くなった津久野店の復活をお願いしたいです。
待ってると向こうの方から「もう1時間待ってんやで!子供も腹が減って泣いてるぞ」と怒りの声が聞こえてきた。
お客さん「俺らが待ってる間に何家族も帰ってしまった、なんで遅いのか説明しろ!」
どうやら一触即発のバトル勃発のもようです。
いつも強気なお店の女性店員もすみませんすみませんの平謝りでしたが、客側の怒りが凄まじくてごまかしが効かない様子。
どうなるのかと思っていたら、
まさかの店長登場!
店長さん変わってないですね、懐かしいです。
向こう側からはもちろん面識は無いけど、通った人はだいたい知ってると思います。
美佳味は青少年の憧れでしたので。
以前は女将さんもいらっしゃったのだが、その当時でも結構なお歳だったので引退されたのかな。
その店長登場でその場は穏便に済んだ感じです。
私個人的には美佳味で1時間待たされたくらいで文句を言うのはどうかと思いますが、さっきの人達はご家族団欒で来られていたので少し気の毒に感じました。
それから20分後くらい。焼きそばが来ました。写真が微妙ですみません。一口サイズみたいになっちゃいました。
うーんウマい。ソースがいいですね。ここでしか食べられない味。2〜3人前頼めばよかったです。
ようやくお好み焼きが登場。結局我が家も1時間かかりました。やっぱり混雑時はそれくらいかかるようです。
一応全部出揃った感じです。メグちゃんのチーズ玉が時代の流れを感じさせる。
昔ながらのやり方をできる限り再現します。本当はソースは後なのだが、まずソースを塗ります。
ケチャップとマヨネーズをかけます。私は美佳味で育ったので、家で作るときもケチャップはマストです。
テコで混ぜます。ソース・マヨネーズ・ケチャップが三味一体になるように。
昔は、先にお好み焼きにケチャップとマヨネーズをつけて、それを刷毛でソースを付けながら混ぜていました。
しかしそれをすると、刷毛にケチャップとマヨネーズが付くので、刷毛を戻したときにソースの中にケチャップとマヨネーズが入ってしまいます。
二度漬け禁止と同じ感覚で考えるならばタブーな行為です。
昔はそれが当たり前だったのですが、空気を読んで止めておきました。
悲しい時代の流れですね。
ふりかけをかけます。鰹節の削り節だと思います。私はこの文化で育ったのでふわふわの花かつおをかけるのは大嫌いです。
青のりをかけます。しまった!私としたことがカラシを忘れていました。
仕方がないので後乗せにします。この方が辛子を鮮烈に味わえるという意見もあります。
焼きそばが入ったモダン焼きです。最高に美味しいです。ここでしか食べられない懐かしい味です。
私は、これを周囲から6角形に削り取って食べるのが好きです。
で、最後に残るのがこれ。モダン焼きで形を崩さずに、最後までテコで切るのは大阪人に備わる技術です。
モダン焼きはおよそ3つに分解されます。一番上のソースがかかった部分。焼きそば、焼きそば&土台。この3つです。
土台部分はうまくやれば完全に分離するので4分割です。
名残惜しいが最後の一口です。またいつ来れるだろうか。
終わったらお好み焼きで出たカスを鉄板の横の穴に入れて帰ります。普通はお店の人がやる作業ですが、これをやって初めて美佳味の常連です。
というわけで、私の中では美佳味は堺の誇りであると断言できます。
そしてこの美佳味が無くなれば、津久野駅周辺は滅びてしまうかもしれない。
いや阪和線ごと崩壊する。
今回の記事は私の地元である堺市の話でした。
少しノスタルジックな話で申し訳ありません。
ちなみに、私がYouTubeに上げているお好み焼き返し動画で言っている美佳味とはこの店のことです。動画では返しやすいように豚肉を先に敷いておりますが、本来は違います。
といった感じで記事は以上になります。
ご覧くださりありがとうございました。
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古からまことしやかに語り継がれた美佳味の隠し味について検証した記事です。よろしければご覧ください。
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