とりあえず前回の回までで、XAMPP環境でAS400のGUI化を構築して運用する手順は完成しました。
しかしこれは会社のシステムとして使えません。
他のPCからアクセスできるので限定的にはサーバ替わりなるかもしれませんが、多くの社員がアクセスすればパンクするのは目に見えてますし、個人PCは常時起動させるものでもありません。
大丈夫だろうと無理に常時起動させているとガチで火を噴くことになります。またXAMPPは開発環境なのでそういう用途でもありません。
やはりサーバを別途構築して、そこにPHP/Laravelを入れないといけません。
一応その仕組みは完成していますが、そこまでに検討した内容を構築編1/3として載せます。
3/3がサーバ構築作業、2/3がその事前作業とします。
サーバとは
AS400の関係者にこんなことを話すのは釈迦に説法ですが、自分の理解確認も含めて明記しておきます。
サーバとは、HTTP(ウェブ)サーバ、メールサーバ、DNSサーバ、ADサーバ、ファイルサーバなど色々ありますが、マシンのことではありません。
すべてマシンの中で動いているソフトのことです。
なぜならサーバソフトが入っていないマシンはただのマシンだからです。また1台のマシンにExcelやWordが入るように、複数のサーバソフト(HTTPサーバもメールサーバなど)は1台のマシンに共存することが可能です。
ではなぜラックに入っている1Uとかのマシンをサーバというのかというと、マシンがサーバ用途ということです。
サーバ用途のマシンとは個人PCとは違い、多数のクライアントからの要求にも耐え、可用性・信頼性などを有する必要があります。具体的には堅牢な電源を装備したり、高速で耐久性のあるCPUやメモリなどを積んだり、ハードディスクをRAIDで2重化したり、UPS(無停電電源装置)を使って停電時の備えるなどがあります。
サーバ用途ならばマシンを別で用意しないといけないというのはそういうことです。
サーバの選定はどうするか
そんな屈強なサーバマシンをどう選定するのか、素人には解らないと思います。
でもよく考えてみてください。あるじゃないですか。
24時間365日保守が切れるまで一度も故障することなく働き続ける超優秀な屈強な黒い兵士が。そうです。AS400です。これは超エリートなサーバマシンです。
そう思ったのも束の間、これにHTTPサーバソフトを入れて各種設定をしようとしたら確実に金がかかります。ベンダの手を借りることになりますから。
これは表題のとおり無料で構築することがテーマですので、自分でできることが鉄則です。
でも、色々調べてHTTPサーバソフトを入れようとして、もしぶっ壊して基幹機能がストップしたら確実にクビか始末書になるでしょう。普通はそれどころでは済みません。
復旧するためにベンダに助けを求めようものなら、「それはリカバリですね、(ホントは半日だけど)一週間かかります」とか「ウチに相談しないからですよ(・∀・)ニヤニヤ」とか、さんざシカトされるか、少なくとも大恥をかくこと必至です。まぁ皆さんも自分達のユーザーが勝手なことをしたら同じメに合わせるでしょうから因果応報というやつです。
だからAS400には一切触らないほうが無難です。今までの構築例もAS400には一切触っておりません。
今回はテストなので適当に空いたパソコンを使うことにします。自分のパソコンではなく、別のリカバリしたまっさらのパソコンです。1台くらいあるでしょう。ノートパソコンでもOKです。ただし64bit限定です。
それがうまくいって初めて、PCやプリンタなどを供給してくれるベンダに相談して、本格的なマシンを選定してもらえばいいでしょう。
本格的なマシンもデスクトップPCも、構築作業は同じですのでご安心を。
サーバのOSは何にするのか
まっさきに思いつくのがWindowsServerですが、これは却下です。お金もかかりますし、GUIで見やすいかもしれませんが、だからといって設定が簡単とも思えません。
マシンに入れるOSはLinuxにします。完全無料ですし、オープンソースのため、世の中に文献がアホほどあります。
というか世の中のサーバのほとんどはLinuxなのです。圧倒的シェアNo.1。
Microsoftも本当はサーバOSなんて作りたくないと言っているそうです。だから高く売るのです。
Linuxというと不安になるかもしれませんがご安心ください。操作は(勉強すれば)簡単です。
Linuxの種類はたくさんあります。
大まかに分けて、LinuxはRedhat系とDebian系の2つに分かれます。レッドハットとデビアンと言いますが、操作性が異なります。打つコマンドも違います。
今回選ぶのはCentOS(セントオーエス)です。これはRedHat系です。なぜこれにしたのかはセントオーエス名前の響きが聖闘士(セイント)っぽいのと、フリーでサーバ用途で選ぶならCentOSが多いからです。
同じRedHat系に、RedHat Enterprise Linuxというのがありますが、これはRedHat社がサポートしてくれますがもちろん有料です。
少しの費用なら有料でサポートの厚いの方を選んでおいたほうが安心では?と思うかもしれませんが、少しの費用ではありません。うん十万します。
ですがCentOSはRedHatと中身は同じクローンなのです。世の中にもCentOSはたくさん出回っていますし、文献も豊富なので安心していいでしょう。
今回入れるソフトは
OSはCentOSで決まりました。次に(サーバ)アプリケーションですが、必要なのはもちろんHTTPサーバソフトです。
クライアントPCからサーバにアクセスしたら、サーバはAS400からデータを取ってきて、その内容を使って動的にページを作成し、クライアントに返します。
これだけで出来ることは夢のように広がります。
しかしHTTPサーバソフトといっても、種類がたくさんあります。サーバとはソフトのことと言いましたが、シューティングゲームにも「ゼビウス」や「グラディウス」や「ツインビー」があるように、HTTPサーバソフトも複数存在します。
とはいえデファクトスタンダードと言われるのがApache(アパッチ)です。攻撃用ヘリコプターではありません。そういうHTTPサーバソフトの名前です。
もう一つHTTPサーバソフトとして急激に伸びているのがNginx(エンジンエックス)です。
実はこのブログもNginxを使用しています。高速に稼働するらしいですがODBC関連の文献が少なそうだったので、今回はパスしてApacheを使用します。
別に妥協ではありません。まだまだApacheの方がシェアは多いです。
フリーソフトって大丈夫なの?
フリーソフトと言われると表現が悪いのですが、これはオープンソースです。もちろんオープンソースだから無料(フリー)ということです。
今までオープンソースのものしか紹介していません。XAMPP、PHP、Laravel、CentOS、Apacheすべてオープンソースです。
オープン化なんて言葉の響きだけしか知らなかったのに、ここまで進めてきた人は、すでにオープン化にドップリ浸かっていることになります。オープン化技術なんて恐るるに足らずです。
ソフトは全てインターネットから入手できます。ソースコードも公開されています。
WindowsやAS400しか触ったことが無い人にとっては、セキュリティとかウィルスとか、そもそもそれを開示している人って信用できるの?スパイウェアとか入ってない?と思うかもしれません。
全く問題ありません。今やあらゆるテクノロジーがオープンソースで開発されている時代です。もう昭和は終わってますよ。
今回構築するのは
マシン:適当なパソコン(仮なので)
OS:Linux CentOS7
HTTPサーバソフト:Apache
データベース:AS400(DB2)
プログラミング言語:PHP
フレームワーク:Laravel
という感じです。いわゆるLAMP(Linux/Apache/MySQL/PHP)のDB2版ですね。
次の回でサーバ構築の準備を行っていきます。
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