私がデカ盛りが好きなのは以前にも言ったかもしれませんが、東京はまさにデカ盛りの宝庫なんですよね。
今日紹介する店は2回目の訪問なのですが、関東に引っ越してからすぐに訪問したお店です。
あの時はシュタインズ・ゲートにはまってて、秋葉原まで聖地巡礼しに行ったっけ。
昼はメイクイーン(メイリッシュ)で世界がヤバいってケチャップで書かれたオムライスを食べたんだ。
もう四年前の話だから懐かしいなぁ。
その晩に行ったお店がこのお店、ごはん処あだち。飲食店が立ち並ぶ中、普通に考えてまず入ることはないお店。
ところがこのお店、知る人ぞ知るデカ盛りのお店で、デカ盛りブログ「テラめし倶楽部」のマエダンゴさんも通ったお店。
それで知ったから訪れることができた次第ですが、そういう縁でございます。
あの方は元気にされているのでしょうか。
ここはどういうお店かというと、もちろんデカ盛りのお店なのですが、いわゆる定食屋さんですね。
正直言ってキレイな店というには程遠い。
というよりガサツで不衛生な感じがするので真夏だと衛生面がちょっと不安(個人的な感想です)
とはいえ秋葉原も汚い街だし、その汚い雑居ビルの一階だから仕方がないよね。
入り口に写真が貼ってある。基本形はこんなの。ごはんが桶で出てきます。前回食べたのもまさにこんな感じ。
上の写真は野菜炒めだけど、名物メニューはあだちランチセット。
あだちランチセットは、大き目の唐揚げ3〜4個とその他具材が桶に山盛りで出てくる結構な代物だ。
その時は完食できたけどかなり苦戦したかも。
それよりも名物なのが、お店のおじさんです。
飲食店なのに喋り出したらマジで止まりません。
店の暖簾です。うーん、嫌な感じしかない。やはり夏場は避けたほうがいいか・・。入店するか店の前で5分ほど悩んだが他に行くところもないので、ブログの為だと覚悟を決めて入店する。
店内はこんな感じ。一見すると普通のお店。テーブル席が12人くらい座れるのかな。
カウンターは7〜8席くらいかな。
先客が1名いたけど常連さんみたい。店主と親しげに話している。店員さんは1人だけ。うわさの店主さんだ。
ってか、臭っ!!!
何の匂いだろう、店に蔓延するこのエゲツない臭いは・・。
もうね、漂うというレベルじゃありません、臭いで充満してます。鼻で呼吸をするたびに刺激臭が鼻をつんざく。
こりゃいかん。
やっぱり夏場に来るんじゃなかったかな・・。
それが入店したときに感じた違和感。
次の瞬間、
店主「いらっしゃい!!お兄さん初めて?」
と威勢よく声をかけてくれた。
私「いえ、以前一度だけ来たことあります」
店主「お兄さんもあれ(デカ盛りの定食)目当てでしょ?でも、定食は昼で終わりで夜は居酒屋っぽくなるんだよね。アルコール、やっぱり夜はそうなっちゃうよね。お客さんはさっきまでいたんだけど、もうみんな帰っちゃってちょうど一段落ついたところさ。今日はお盆だしもう閉めようかなと思ってたの。でもまぁせっかく来てくれたんだし食べて帰りなよ。前回はいつ来たの?」
と、相変わらずのお喋りが止まらない感じ(笑)チャキチャキの江戸っ子ですね。
私「あ、4年前です」
店主「4年って随分経つねぇ。兄さん(秋葉原から)近くないんだ。今日は何にする?メニューはこれなんだけどさ、一番のおすすめはサービスセット(あだちランチセット)なんだけど、この暑さだろ?最近は冷たいもんが食べたいってさ、このネギトロ丼の定食が今一番出てるんだよ。って言ってもネギトロって出すと、おい海鮮丼じゃん!って突っ込まれちゃうわけ。普通ネギトロって言ったらマグロしか入ってないけど、ウチのは色々入ってっから海鮮丼かってビックリされちゃうんだ。兄さん4年前は何を食べたの?」
私「あ、あだちランチセットです」
店主「これだろ?だよねぇ、一番人気だからねぇ。でも今は暑いしネギトロばっか売れるわけ。今日来たお客さんもみんなネギトロだったよ。ランチも旨いけど、こう暑いと食欲を刺激するものじゃないとなかなか胃が受け付けないんだよね。お兄さんもネギトロにしときなよ。普通ネギトロって言ったらマグロしか入ってないけど、ウチのネギトロは海鮮丼みたいでビックリするからさ・・・」
いつになったら注文をさせてもらえるのか・・・。
話は弾んで店主さんもすこぶる機嫌が良い様子。
弾んでといっても、弾んでるのは店主さんだけですけど(笑)
でも、私は人の話を聞くのが好きなので、いろんな話を聞けて逆に有り難い。
とりあえずネギトロにしときなよという流れになっているので、素直にそれでお願いする。
というか、もうネギトロ以外の選択肢は潰されてたね。
店主「よし!ネギトロね!お兄さんビックリするよ。よそのお客さんには海鮮丼じゃないのかって突っ込まれちゃってね・・・」
と言いながら厨房へ。
まだ言ってる(笑)と思いながら話を聞いてると、
ガラガラガラ。
入り口の引き戸が開いて、ゴツい兄さんが入ってきた。お客さんのようだ。
店主「へい、らっしゃい!お兄さん初めて?」
兄さん「はい」
店主「そうなんだ、デカ盛りの店って噂で調べてきたんだろ?」
兄さん「いいえ、近くの店が一杯でここに来ました」
店主「え!?お兄さんアキバ来るの初めて?」
兄さん「いえ、何度も来てます」
と言ったら、店主さんに火がついてしまった。
店主「嘘だろ、アキバでウチを知らないのはモグリだよ。ネットでも超有名だよ、アキバのあだちっていうのは、デカ盛りでさ。お兄さんナンにも知らないんだね。今、スマホで調べてみなよ、アキバ、あだちで調べたらたくさん出てくるからさ。ウチはデカ盛りの店で有名なんだよ。日本一デカ盛りのお店ってネットに出てるからさ。お兄さん最初だからイチから説明してあげるけどさ、ウチの店で普通とか大盛りっていったら大変なことになるよ。普通って1升あるからね。大盛りなんて言ったら大変だよ。2升だからね、7キロ。食えるかい?食えないよ。大食いの人も来るんだけど、絶対大盛りは頼まない。今まで大盛りを食べた人はいないからね・・・」
ああ、始まってしまった。この店は初回はご飯の量の説明を受けるのが鉄則なんだ。
しかもこのお客さん、お店のこと知らないなんて言うもんだから、店主さんもう止まらない。
俺のネギトロはまだか・・・
もうそれどころではない。話が終わる気配がまったくない。
こんな感じでこんこんと説明を受けるお兄さん。幸い彼もその図体とは裏腹に温厚な人間だったので、相槌を打ちながら店主の説明を聞く。いつ注文をさせて貰えるのか気の毒でならない。
これがご飯の量。最近あるよね普通の感覚がズレてるお店。
大阪にも「ちょいめしあさチャン」というデカ盛りの食堂があるのだが、そこもカレーのミニが2合くらいあるとか、ちょっとズレてる感覚。だがそれがいいんだ。にしても大盛り2升はここだけだけどね。
店主「ウチは唐揚げが世界一旨いって有名なんだよ。ネットで検索してみな、書いてあるから。ウチに来る奴はみんな唐揚げが食べたくて来るんだよ。大きさだってこんなだからね。こんなのが山盛りで来るからお客さんビックリだよ。しかも美味しいんだから大変だよ。揚げたてだからね。このサービスセット(旧あだちランチセット)にしときなよ。他の盛りもすごいんだけど、唐揚げは世界一旨いからビックリするよ。みんな旨い旨いって食べてるよ。本当はなす味噌炒め定食ってのもおすすめなんだけど、こんな大皿で出てくるからみんなビックリしちゃってさ・・・」
だめだ。止まらん・・・。
兄さん「じゃあそれ(サービスセット)で」
店主「じゃあご飯はどうする?お兄さん食べそうだしな、ウチは残したら罰金だよ!いいかい、大盛り普通盛りってのはまず無理だ、普通盛りでも一升あるからね。ウチはこの桶で出すからね。擦り切れで11軽って2合近くある。たいがいの人はこれくらいだな。若いんだからこれくらい食べないとダメだよ。ウチの米は美味しいって評判なんだ。コシヒカリの良いのを使ってるからね。新潟のコシヒカリを特別に安くしてもらってんだ。これを1,000円そこらの定食で出すんだから凄いのなんの・・・」
入店してから20分以上経過したが、まだお兄さんは注文すら終えていない。
もちろん私のネギトロ丼は作り始めてもいない。店員さんはこの店主さんだけなのです。
そして、その間も呼吸をするたびに強烈な異臭が私の鼻をつくのだ。
失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した、私は失敗した・・。
かの有名なシュタインズ・ゲートのセリフが脳裏をよぎる。
お兄さん「そんなに食べれないんで・・」
店主「じゃあ擦り切れより少し多めってとこだな。ウチの唐揚げは世界一美味しいって評判なんだよね。隠し味にカレー粉を使ってるんだ。唐揚げにカレー粉を使ってるお店ってなかなかないんだよ。北海道の方に1軒あるらしいけど、よそじゃあんまり聞かないな。お兄さん唐揚げにカレー粉使ってるお店なんて聞いたことある?無いだろう。すごく美味しいから食べてみてよ。大きさもこんなに大きいのが3つ4つ乗ってるから大満足だよ・・・」
お兄さん、死んだ魚の目になってる。
でもお兄さんはまったく動揺する気配もない。いい人ですね。
心のなかではそう突っ込みまくっていた私だが、基本的に話を聞くのは好きなので店主さんのお話は楽しく聞かせていただきました。
後は、この臭いさえどうにかしてもらえたらいい店なんだが。
ようやく店主さんが厨房に入って作り始めたと思ったが、店主さんは厨房でも絶え間なく喋り続けてる。
ようやくカウンターのところに私のネギトロ丼が完成したのが見えたが、それを傍らにまだ喋り続けてる。
店主「兄さん前回食べた時は付け合わせはサラダだったろ?今は暑いから冷奴を出してんだ。こう暑いと冷たい冷ややっこの方が食べやすいと思ってね・・・ペラペラペラ」
それ、早くもってこい・・・
話を聞くのが好きな私とはいえ最後の方は、そう思いながら話を聞いていた。
客は俺とそのお兄さんしかいないので、そこにあるネギトロ丼は間違いなく俺のだろ、早くしてくれ。
注文してから1時間くらいかかっただろうか。私のネギトロ丼の定食がきた。まぁ確かに海鮮丼だね。もう素直に海鮮丼って言っちゃえばいいのに。正直作るの5分もかかってないです(笑)
冷奴と煮物です。なんか食欲をそそる気配がないが大丈夫だろうか。不安しかない。
ご飯はこんな感じの盛りです。茶碗でも丼でもなく桶で出てくるので、普通の人にはそこそこ量があります。
まずは一口お味噌汁をズル。
ぬるっ!
ぬるい味噌汁って久しぶりに食べたかも。
おっちゃん温めといてよと思った。
次に気になるネギトロ丼ならぬ海鮮丼をパク。
ぬるっ!
本当にぬるいんだからしょうがない。
サーモンもネギトロもさっきまで冷蔵庫にあったとは思えない。
試しに匂いを嗅いでみた。
うーん、悪くない。
何十年もお店を続けてるんだから心配ないよね。
私はやや神経質なので申し訳ありません。
食べると普通の海鮮丼、普通に美味しいです、こんな感じで掘り進んでいきます。そこそこ食べごたえはあるかな。ただ刺身がぬるかったのが気になる、冷蔵庫に入れてなかったというより、店主の喋りが長くて常温に戻っただけかもしれない(笑)
煮物。ちょっと色合いが微妙だったけど、味は悪くありません。
私が食べてる間も色々話しかけてくれます。
お兄さんのサービスセットはいつ出来るのだろうか。
いや、いつ作り始めるのか・・・・
いつ兄さんが「黙って聞いてりゃ」って立ち上がって店主の首根っこ掴み出さないか心配だったけど、本当に空気を読める人みたいだ。うんうん。
それから10分くらいお兄さんに話しかけてた気がするが、ようやく店主さんが唐揚げを揚げ始める。
厨房で店主さんが、俺たちを驚かせようとニヤニヤして盛り付けてるのが見える。
と思ったら次の瞬間持ってきた。やっぱり5分かかってない。
お兄さんが頼んだサービスセット。お願いしたら快く写真を撮らせて下さいました。自分が食べるものなのに申し訳ないです。名物の唐揚げが山盛りです。このおかず+桶のご飯なので、私のよりもかなりしんどいはず。
かたや私の胃袋は限界寸前。
サービスセットだと撃沈していたな。ネギトロ丼で正解。
この盛りを見て明らかにそう思った。
そうでなくても、このネギトロ丼でもかなり多い。
歳はとりたくないものだ。
これは厳しい・・・
そう思ったときに、店主が私の目の前にきて、机の上にお皿を置いてこう言った。
店主「しょうがない、お兄さんにもサービスだ。世界一旨いってのに食べさせないとかわいそうだしな」
店主さんの機嫌の良さから、うすうす感じていたのだが、その予感は的中した。
唐揚げをサービスしてもらった。揚げてたからそんな予感はしてたんだよ。最悪ギブアップかと思っていた矢先なので正直キツイ。から揚げは確かにカレー味です。普通に旨いです。
なんとか完食しました。苦しい・・。以前なら大した量じゃないはずなのに。4年間のブランクは想像以上に俺の身体を蝕んでいたようだ。サービスセットは4年前は食べれたけど、今は無理かもしれない。
ごちそうさまでした。
初めての人や予備知識がない人には厳しいお店だけど、普通の量じゃ満足できない人には幾らでも注いでくれるので良いかもです。
さて帰るか。店はアキバの裏通り。
臭いな。もう街全体が臭い感じだからあだちが臭くても仕方ないのかも。
ほとんどの店が店仕舞いをするこのアキバの街を歩きながらそう思った。
これはシュタインズ・ゲートにあった光景です。懐かしいなぁ。ゼロのPC版買おうかなぁ。
ところで、帰りにたまたまインドカレー屋の前を通りかかったのだが、なんか換気扇からあだちの匂いがした。
もしかしたら唐揚げに入れていたカレー粉の匂いだったのかもしれないね。
それにしてもって感じの匂いだったけど。
店主さん、常連さんに聞いて、気になるって言われたら対策して下さい。
あれじゃお客減りますよ。
という感じでした。
もし行かれる方は自分で食べられる量を頼むようご留意下さい。
基本的にデカ盛りの店は採算度外視なので、残されるとお店のロスになってしまいます。
ちなみに、大食いの有名人も来るみたいです。
以上、ご覧くださりありがとうございました。
追記です
記事をご覧下さりありがとうございます。
臭いとか出てくるのが遅いとか、お店にとって不名誉な表記がありましたが、私が言いたいのはそういう奇想天外でユニークな店主さんがいることでした。
遅ればせながらお店の名誉のためにフォローしておきます。
料理が出てくるのが遅い
出てくるのが遅いというお話しですが、私が行ったのは夜のガラガラの時間です。
私はお喋りを聞くのが好きで、上手に相槌を打ったせいか店主さんも気持ちよく喋ってくれたのでしょう。
もちろん混雑時に行けば、店主のお喋りもこの限りではありません。
チャキチャキの江戸っ子さんなので、基本的には手際も段取りもよく回転率も良いはずです。
臭い
私も嘘は嫌いなので、事実しか書いていません。
私が行ったときに匂いを感じたのは事実です。
ところが最近、別に臭くないとフォローしている某ブログを見つけました。
ちゃんと換気設備もあるし、一時的に料理の臭いで煙臭くなることはあるそうです。
本文でも申しましたが、カレーから揚げの匂いだったのかもしれません。
もちろん腐臭の類ではありませんのでご安心下さい。
衛生面
そこは本文でもフォローしていますが、飲食店である以上は信用していいと思います。
素人がやっているわけではなく、都か区の許可を得た「れっきとした飲食店」ですから。
古くからあるお店なので、年季が入っているのはその通りですが、衛生面は全く問題無いと思われます。
まとめ
個人的には、こういうユニークな店は、あくまでこの状態で長く続けて欲しいと思います。
店主が喋らなくなったり、店が小ぎれいになったり、新装開店したら面白味も何もありません。
この店はこの平常運転がベストです。
嫌なことも書きましたが、嘘は書いていないので潔癖症の人は避けた方が良いかもしれません。
というか、そもそも潔癖症の人はこういう定食屋には入らないと思います。
あなたが潔癖症でないのなら大丈夫です。
皆さまも秋葉原に寄ることがございましたら、是非ユニークな店主さんのトークを聞きにいらしてください。
コロナ禍でどの飲食店も苦しいと思いますので、応援の意味も兼ねて私からもお願いします。
この店はメディアでもデカ盛りで知られる、有名人も来る名店でございます。
なんせ、から揚げは世界一旨いですから(^^;)(店主談)
場所はこちらです。 よろしくお願いいたします。
以上です。
コメント
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