今回の記事は「築地銀だこ」です。
いつもの食レポのような感じでお送りしますが、前回お話しした㈱ホットランドの分析目的になります。
一見すると簡単な記事のように見えますが、ドン引きするくらい掘り下げますので覚悟してご覧ください。
前回の記事はこちらです。できれば先にご覧ください。
築地銀だこ味めぐり
㈱ホットランドを調べるためには、肝心かなめの「築地銀だこ」の味を再確認せねばなるまい。
ということで、まず向かったのはイオン市川妙典店です。地元に「銀だこ」の店舗があってよかったです。
ホットランドさん!ここが無くなると株主優待券を使うところがないので絶対に潰さないで下さい!
店員さんは2人ほど。14:00頃に入りましたが、数人ほど食べている人がいました。
今日はチーズ明太子にします。実はもうすでに「銀だこ」は何回も食べました。味めぐりの最後のしめが今回だと思ってもらって結構です。
明太子ソースとチーズが乗ったコッテリコテコテの一品です。Twitterでこれが美味しいと言ってる人がいたっけな。
全てのたこ焼きがキレイに真ん丸でとても美しいです。銀だこの「たこ焼き」は油を多用するのでこんがり揚げた感じになっています。
味はご想像どおりかなり濃厚です。
しかし、これはこれでアリです。
「たこ焼き」+「マヨ」+「チーズ」の1+1+1が1や2になるわけではなく、しっかり3になっています。
胃にもたれるなどの重さはそんなに感じません。
銀だこの「たこ焼き」はコンガリ感が強いので、これくらいインパクトのある具の方が合うのです。
それはこの「焙煎ごまきんぴら」のときに感じました。
このきんぴら、「のせてみたら美味かった!」がキャッチコピーなのですが、残念ながら私はそう思えませんでした。
もちろん美味しいのですが、「たこ焼き」自体の香ばしさが強烈すぎて、これっぽっちの量の「きんぴら」だと味の変化が分からないのですね。
銀だこは九条ねぎなどの「ねぎだこ系」が人気のようですが、これもトッピングの良い例です。
ちなみにこれは北海道で食べた「九条ねぎマヨ」です。せっかく北海道に来たのに「銀だこ」を食べるとは私のホットランド愛にも困ったものです。
九条ネギの特徴はまったく判りませんが、シャキシャキ歯ごたえがたこ焼きにベストマッチです。
そしてネギが辛くないので、とても美味しく食べられます。
要するに、生野菜くらいの鮮烈さ、もしくは明太子チーズのような強烈な個性をぶつけないとたこ焼きに潰されてしまう感じがします。
「築地銀だこ」はそういう特徴があると私は思いました。
それゆえ載せる具材を開発するのが大変なのではと推測します。
当然ながら、中の具材をタコから別の物に変更することも難しいと思います。
なぜなら、中に何が入っているか管理が難しく仕事が煩雑になるからです。
やはり仕事はシンプルにしないといけませんよね。
少し脱線しましたが、それが銀だこの「たこ焼きそのもの」を食べた感想です。
こちらは秋葉原で飲んだ帰りに食べた「ネギたこ」です。大根おろしのつゆに付けて食べます。
つけて食べるといえば明石焼きですが、正直それには遠く及びません。ですがこれもアリです。アッサリ食べれて美味しいです。
そして、どの店舗に行っても出てくるたこ焼きの大きさと形は見事に均一でした。
全てのたこ焼きを真ん丸に焼くのは関西人の私でも難しいですが、さすが「銀だこ」と言わざるをえません。
「銀だこ」では焼き手は「焼き職人」と言われ、お店に入る前には訓練をして試験に合格する必要があるそうです。
戻りまして妙典イオンです。お好み焼きのポスターがあるのでお持ち帰りで買ってみます。
写真映りが悪いですがおおむねこんな感じです。関西人の私にとってはこんな真円を描いたお好み焼きは機械的な感じがしてどうも苦手です。ま、機械で作ってるので仕方ありませんが。
入っているのは生地・キャベツ・紅ショウガくらいでしょうか。普通よりキャベツのシャキシャキ感があって美味しいです。
といってもお好み焼きは美味しくて当たり前ですから、味は普通です。
株のためとはいえ嘘は言いません。それがこのブログのモットーですから。
ただ、これにたこ焼きが付いたセットを食べたなら、より満足感は高かったかもです。
味について
前回の記事で、私は「銀だこ」の味は微妙だと言いました。
しかしホットランドを研究するため、何回も何回も銀だこを食べているうちにだんだん美味しいと感じるようになりました。
正直、今ではかなり美味しいと思っています。
食べ続けて思ったのですが、これはれっきとした食事ですね。
なぜ「銀だこ」が食事だと思ったのか。
それは、私にとって「築地銀だこ」は「関西のたこ焼き」とは別格のボリュームを感じたからです。
それは、「銀だこ」のたこ焼きが揚げた感じになっているからに他なりません。
大阪人の私にとって「たこ焼きはおやつ」なのです。
なので、関西人の私が「銀だこ」を認めるためには、その認識の差を埋める時間が必要だったと言えます。
では、なぜ「大阪のたこ焼き」がおやつなのか、それを次回以降お話ししていきます。
大阪のたこ焼きとの違い(てこや)
ここで大阪のたこ焼きに登場してもらいましょう。
これが私の地元にある、たこ焼き屋「てこや」のたこ焼きです。少し前に出来たチェーン店ですがそこそこ美味しいと評判です。
ちなみにこれ、お昼ごはんの一部です。
お昼は「たこ焼き」と「寿司」でした。
なぜ「寿司」があるのか?
そうです。大阪では昼食や夕食を「たこ焼きだけ」で済ますことはあまり聞きません。
これが大阪における「たこ焼き」の立ち位置です。←私の独断と偏見です
わかりやすいように、生地(何もかけていない)をご用意しました。表面がふにゃふにゃです。真ん丸でもありません。
こちらがさきほどの銀だこ。完璧な球体でパリッパリのカリッカリです。
私はたこ焼きをお行儀よく手で食べるのが好きですが、手で持つと違いがよく判ります。柔らか~いです。
そして中もトロトロです。外ふわふわ、中とろとろです。良いか悪いかは別として、これが銀だことの大きな違いです。
それゆえ、とてもアッサリ食べることができます。
それが「おやつ感覚」と言う理由です。
そして大阪のたこ焼きはどれもこれもダシが利いています。
むしろダシで食わせていると言ってもいいでしょう。
関西人がダシのことを「おだし」というところをみても、それを重視していることが伺えます。
また、ソースだけでなく、醤油や塩や生地(なにもかけない)という選択肢がメニューにあることをみても、ダシへのこだわりは明らかです。
ゆえに、関西はたこ焼きそのものに自信を持っているので、銀だこのように「チーズ明太子」や「ごまきんぴら」を載せることはしないのです。(銀だこでも言えば生地で出してくれます)
別に「銀だこ」を悪く言っているわけではありません。
「銀だこ」のような工夫は全く正しいと思いますし、私も繰り返し「銀だこ」を食べて、そういう文化なんだと感じました。
逆にホットランドの店舗数からすると大阪人の認識の方が井の中の蛙なのかもしれません。
ただ、大阪人はその感覚で「銀だこ」を食べるから違和感を感じるということです。
おそらくそこらへんが関東と関西の違いかなと思います。
大阪のたこ焼きとの違い(わなか)
大阪のたこ焼きをもう一つご紹介します。
大阪難波千日前にある「わなか」です。これは最高に旨いです。大阪に来たら是非どうぞ。
何が旨いかといえば全てが旨いです。生地、ソース、味つけ、香ばしさその全てです。もちろんダシも利いています。
さきほどご紹介した「てこや」に比べるとややコンガリとした感じですが、それでも内外ふんわりです。
これを食べないと大阪に来た意味はありません(回し者ではありません)
揚げた感じの銀だこ
外側がふんわりした「関西のたこ焼き」をご紹介しました。
ですが、「銀だこ」のたこ焼きも普通に焼けば大阪と同じふんわりした「たこ焼き」になるのです。
それがなぜ外側がカリッとしたたこ焼きになるのかというと、仕上げに油をかけているからです。
銀だこの写真です。たこ焼の見た目は関西のものと同じように見えますが、この状態からご覧のようにジョーっと油をかけるのです。
仕上がるとこうなります。油で揚げた感じという意味、ご理解いただけたでしょうか。
なぜこのようなことをするのか。ホットランドの公式サイトには、
- 皮がきれいなキツネ色になる
- 香ばしい香りが漂う
- 銀だこ特有のパリッとした食感を生み出す
と書いてありますが、聞いた話では、この方が早く焼けるからだそうです。
皆さんご存知ないかもしれませんが、たこ焼きは焼くのに20分以上かかります。
店員さん「今から焼きますので20分ほどお待ちください」
俺「じゃ、いいでーす(さようなら)」
となるわけです(涙)
お客様を待たせることなく、早く焼くためにはどうすればいいのか考えた末での結論なのでしょう。
しかし、スピードのために味を犠牲にしたら元も子もありませんし、この油をかけるという後処理は関西人から批判の嵐です。
ところがどっこい、この油をかけるという話を聞いて私は思い出しました。
これってミスター味っ子のパクリじゃね?
そう、むかしむかしあるところに、ミスター味っ子という漫画があったのです。
それは「味吉陽一」という主人公の少年が、無計画にそして唐突に料理勝負を繰り広げていく漫画です。
その第10巻にたこ焼き勝負がありました。
これはその1シーン。基本的に互角でしたが、お持ち帰りのたこ焼きで差がつきました。勝負相手のたこ焼きはびちゃびちゃの低評価。対して主人公のたこ焼きはパリっとして高評価。
奴さんは「なんでやねん!」と嘆いていますが、その秘密が「銀だこ」と同じ油をかけるという処理なのです。
天才少年料理人ミスター味っ子でもやっていることなので、「築地銀だこ」がやっていてもおかしくとも何ともありません。
ゆえに油をかけるのはアリ。
確かに銀だこの「たこ焼き」はお持ち帰りでもカリっと食べれますし、スピードのために味を犠牲にしているわけはなさそうです。
ちなみに画像は掲載の許可を得ていません。指摘されたら削除しますが、単行本は全巻持っています。
もちろん、ミスター味っ子2も将太の寿司も喰いタンも持っています。
下記から前半部分を少しだけ見ることができます。面白ければ全巻ご購入くださいませ。
疑問点
完全に大阪人目線で色々書きましたが、一応株主なので銀だこについて疑問に思ったことも書きます。
もうひと味
私の主観では銀だこの「たこ焼き」からは、粉の風味はしますがダシの風味があまりしません。
でも、繰り返し食べていくとそれが普通に感じましたし、美味しいと感じるようになったのでいいのですが、個人的にはダシ感はあった方がいいですね。
関東のうどんより、関西のうどんの方が好み、それとおなじ感じです。
しかし、私の感想なんて正直どうでもいいです。
なぜかというと、Twitter上では「銀だこ」の評価がすこぶる良いからです。
いち関西人に嫌われようとも他でファンを集めればいいのです。
そして「銀だこ」が正解だからこそ、この評価なんだと思います。
しかし、1つだけ言わしてください。
1つだけ足りない物があります。
正直なぜこれを入れないのか疑問です。
それを入れればもっと劇的に美味しくなって、別の場面でも大活躍するはずなのですが・・。
それは何かというと、それは内緒です。
佐瀬社長が面会してくれるなら教えてもいいです笑
もしかしたら意図的にそうしているのかもしれませんね。
あまり美味しくしすぎると飽きがくるという判断なのかもしれません。
販売方法に疑問
たこ焼きは、いつでもどこでも気楽に食べられる庶民の味です。
前回の記事で食べるタイミングが分からないといいましたが、逆に言うといつでも食べられるということです。
例えば、食事、おやつ、夜食、会社帰り、酒のアテ、酒を飲んだ〆などなど。
疑問点は欲しい時に必要な量を提供できているかどうか。
例えば会社帰りに小腹が減ったなと思った時、ふと見ると目の前に「銀だこ」の店舗が。
美味しそうだなと思ったけど、家では食事が待っている。
でも「銀だこ」食べたい!
そんなときあなたは何個なら買いますか?
- 1個?
- 2個?
- 3個?
- 4個?
- 6個?
- 8個?
銀だこを食べて家の食事が食べられる量だとつい買ってしまいそうですよね。
でも、銀だこでは少なくて「6個入り」しかありません。
なので仕方ないので我慢する、そういうのよくあると思います。
それって勿体ないですよね、小腹が空いた人という需要を逃すなんて。
ちょうどキリのいいところで、ラインナップに「3個入り」とかも加えたらどうかなと思います。
そうすれば会社帰りのサラリーマンの胃袋まで鷲掴みにできます。
もちろんそれをやると6個買ってくれる人が3個しか買わなくなったり、数の管理も面倒になるので、それを考えたうえで現在の体制なのかもしれません。
手軽さに疑問
「たこ焼き」という食べ物の提供の仕方に対する疑問です。
ときに、先日大阪に帰省したときに見たのですが、地元のたこ昌が潰れてました。
これです。たこ昌の「たこ焼き割烹」の店です。たこ昌のたこ焼き自体はそこそこ美味しいです。特に明石焼き。
これが閉店の案内です。残るは道頓堀、新大阪、関空のみです。割烹は全て潰れました。
正直、たこ焼きみたいな露店のおっちゃんから買って速攻食べるものを、お上品に座敷に座って食べる奴がこの大阪におるんかと思っていましたが、案の定潰れたようです。
たこ焼きは気軽に食べられる庶民の食べ物。
その基本中の基本を見失った結果でしょう。
それを思うと「銀だこ」は良いですね。
イオンなどのフードコートだけでなく、大衆酒場業態など「気軽さ」というポイントは押さえている気がします。
気軽さを押さえるということは、買ってくれる確率があがるということですね。
でも気軽さを追求してサラリーマンの胃袋を鷲掴みするならば、もう少し考えたほうが良いと思ったのが今回の疑問になります。
要するに、数が3個になったところで、舟で食べるって案外ハードル高いですよね。
持ち運びも大変ですし、うっかり落とす可能性もあります。
買うためのハードルを下げるためには、立って食べたり、歩きながら食べたりできるほど、気軽さを追求すればいいと思います。
これは食べ歩きを推奨しているわけではなく、それくらい気軽さがあれば購入意欲が上がるということです。
ちなみに、歩きながら食べられるものってどんなものがあるでしょうか。
- ソフトクリーム
- じゃがりこ
- ドリンク類(ストローで)
こんな感じでしょうか。
あと勇気を出せば焼き鳥、から揚げ串、フライドポテトもいけるかもしれません。
そんな感じで気楽にどこでもたこ焼きが食べれればもっと売れるだろうにな、と思っていたある日のことです。
ホットランドのホームページにある案内が出ました。
それがこちら。SHIBUYA109と「築地銀だこ」が共同開発をして作った「GIN CHEE」といいます。
わぁ美味しそう!とはまったく思いませんでした。
それよりも、このカップに入れて販売するというアイデア、これが素晴らしいと思いました。
これならオシャレですし、歩きながら食べても違和感ありません。
小腹が減った人達に堂々と売れますし、舟と違ってこぼれないので持ち運びにも優れています。
3個はカップ、6個と8個は舟、それ以上は箱。
これで死角はありません。と思うのですがどうでしょう。
それでも食べる場所を選ぶ
さきほど「たこ焼き」はいつでもどこでも食べられると言いましたが、それでも食べる場所は選びます。
その理由は「匂い」です。
マクドテロという言葉もあるように、銀だこテロ、通称「銀テロ」もあります。
ソースの匂いはソースを止めて醤油にすれば消えますが、油の匂いは「銀だこ」の仕様上消すことはできません。
匂いを抑えた「たこ焼き」が開発できれば面白いと思いますが。どうかな。
でも、あの香ばしい匂いがいいんですよね。
価格がやや高い
これが一番気になるポイントですが、銀だこの価格はやや高いです。
最初のご紹介した関西のたこ焼き「てこや」は、8個入りで400円(税込)
次にご紹介した「わなか」は8個入りで500円(税込)
それに対して、銀だこは税抜きで538円です。税込みだと600円近くします。
ホームページに価格を載せているので全店同じ価格だと思いますが、関西人の感覚だとこれでよく売れるなぁと感心します。
正直株主からすると売れるならOKです。収益が出ればでるほど業績もアップしますから。
ただ、関西系のたこ焼き屋が、もし仮に「銀だこ」隣に陣取った場合、お客さんはどっちの店から買うでしょうか。
ホットランドの経営陣が自信をもって「銀だこです!」と確信をもって言えるならばいいです。
もしそうであったとしても、過信はしていないか、常に競合相手の研究は怠っていないか?
その辺に少し私は疑問があります。
私が関西のたこ焼きとしつこく比較したのはそこにあります。
そこは少し懸念材料です。
ただ、もし仮に銀だこの隣に「てこや」が出店したところで、最悪大丈夫かなとも思います。
その理由は、競合は潰せばいいからです。
同じ地域に2つも3つも出すわけありませんし、競合するのは近くにいるたこ焼き屋だけです。
ならば名目は何でもいいので毎日100円セールをすれば相手の店はやっていけなくなります。
ホットランドにはそれだけの資金力はあるはずです。
ま、本気でそんなことは考えていませんけどね。
それだけ心配しているということです。
まとめ
以上、株主として「築地銀だこ」に行ってきて思ったレポでした。
最終的に何が確認できたのかというと
- 関西は関西、銀だこは銀だこ
- 銀だこはその地位を確立している
- 揚げた感じでもOK
- みんなから好かれている
- 改善次第で伸びる余地がありそう
以上を認識した次第でございます。
決算書やチャートの分析とかが全くなくて申し訳ありません。
個人的には株の研究は安心して持てる株かどうかを確かめる作業につきるので、ご了承いただければと思います。
次の記事は「大釜屋」でいきます。
以上ご覧下さりありがとうございました。
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